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Appleとかなえる
健康な日常生活

「いつ見ても健康的ですね!?」 筆者が仕事やプライベートでよく会う人たちに言われる言葉だ。ほぼ毎日走っているから健康なのか? 健康だから継続的に運動することができるのか? "にわとりが先か卵が先か?"という質問と同じで自分でも正解はわからないが、ここ数年筆者が健康に暮らすために大きなサポートをしてくれたのがApple製品ということは事実だ。知らない人も多いかもしれないが、iPhoneを始めとしたApple製品を活用することは、健康な日常生活をエンジョイする一助となるのである。

Text and Edit by Masahiro Minai

プリインストールされた"ヘルスケア"アプリで日々の運動状態をチェック!


"ヘルスケア"アプリはユーザーが特にアクションを起こさなくてもヘルスケアは起動しており、歩数、ウォーキング+ランニングの距離、安静時消費エネルギー、アクティブエネルギー、スタンド時間、エクササイズ時間、登った階数といった項目を記録してくれる。このなかでランニングの距離、安静時消費エネルギー、アクティブエネルギー、スタンド時間、エクササイズ時間の記録はApple Watch をつけていることが必須条件であるが、特に難しい操作は必要ない。

 iPhoneを購入した段階でプリインストールされている"ヘルスケア"アプリ。まだまだあまり知られていないが、実はこのアプリがとても優秀なのである。ユーザーが特にアクションを起こさなくてもヘルスケアは起動しており、歩数、ウォーキング+ランニングの距離、安静時消費エネルギー、アクティブエネルギー、スタンド時間、エクササイズ時間、登った階数といった項目を記録してくれる。

 筆者はほぼ毎日6kmのランニングを欠かさないようにしているが、原稿書きなどに追われて年に10日~2週間ほどは走れない日もある。そんなときも「今日は16.5km歩いて、1058kcalのアクティブエネルギーを消費したから休んでも大丈夫だろう…」といった感じで仕事に集中することができる。反対に夕方の時点で歩行距離が10km程度だった場合は、時間を作って走りに行く。

 このようにヘルスケアは毎日の運動状態を自動で記録してくれるので、このアプリを使うことで文字通り健康を意識するようになるのである。プリインストールされていることを知らない人も少なくないこのヘルスケアだが、その存在を教えると、その簡単な操作性と優秀性から、しばらくすると、このアプリの虜になる人は少なくない。

文字通りアクティブな毎日に欠かせない"アクティビティ"アプリ!


watchOS 4では「スマートコーチング」機能が追加される。この機能はユーザーの進捗状況に応じて様々な提案を通知するので、従来よりも目標達成を明確にサポートしてくれる。

 2年前にApple Watchを使い始めてから毎日楽しんでいるのが、"アクティビティ"というアプリ。このアプリは立ち上がったり体を動かしたりしたときに消費されるカロリーが表示されるムーブ、早歩き以上の運動をした時間が分単位で表示されるエクササイズ、立ち上がって 1分以上体を動かした1時間が、それまでに何回あったかが表示されるスタンドの3つのリングを完成させることで、日々の生活をよりアクティブにしてくれる。

 このアプリの存在を知ったユーザーの多くが、3つのリングを完成させるのを毎日の楽しみとしているといっても過言ではない。筆者のように打ち合わせのために頻繁に外出したり、ほぼ毎日走っているとムーブやエクササイズのリングを完成させるのは容易だが、意外なことにスタンドをクリアするのが難しい日がある。それは原稿書きに追われていたり、会議や打ち合わせでずっと椅子に座ったままのことがあるからだ。


 2017年4月22日のアースデイに、30分以上のワークアウトを行ったことで獲得することができた「アースデイチャレンジ」のバッジ。
こうしたバッジを獲得することはモチベーションの維持に貢献してくれる。

 そんなときにApple Watchは「スタンドの時間です! 立ち上がって1分間ほど動きましょう。」とバイブレーションとともに知らせてくれる。さすがにお客さんを相手にしたミーティング時には立ち上がることはできないが、原稿を書いている際には立ち上がって少し歩くだけでスタンドの項目はクリアできる。同時に気分転換にもなって、それまでよりもスラスラ原稿が書けたことも少なくない。そしてこのアクティビティのリングを連続して完成したりすると様々なバッジがもらえる。

 例えば「完璧な1か月」というバッジはムーブゴールを毎日達成することで得られるし、「アースデイチャレンジ」というバッジは、2017年4月22日のアースデイに30分以上のワークアウトを行ったことで獲得することができた。このように日々のリングの完成のためにモチベーションをキープしてくれるツールが用意されていることも、飽きずにチャレンジし続けるのに大きな味方となる。さらに秋にリリースが予定されているwatchOS 4では「スマートコーチング」機能が追加される。この機能は「あと10分走ればエクササイズのゴールを完成できます!」というように、ユーザーの進捗状況に応じて様々な提案が通知されるので、これまでよりも目標達成を明確にサポートしてくれるはずだ。

watchOS 4ではスイミングの機能性も大幅に向上する!


watchOS 4ではプールの端で10秒以上休むと、そこで休憩したことが記録されるなど、水泳における機能が大幅に向上している。

 Apple Watch Series2は防水機能を備えたことで、水泳時にも活用しているアスリートは少なくなく、距離、時間、消費カロリーといった項目を簡単に計測できることで高い評価を得ることに成功しているが、今秋登場予定のwatchOS 4では水泳における機能が大幅に向上する。

 例えば、プールの端で10秒以上休むと、そこで休憩したことが記録され、そこまでの泳ぎが1セットであると認識され、泳法、距離、タイム、スクロール数、ラップタイムなどを確認することが可能に。Appleでは独自のプールを用意し、そこであらゆるレベルのスイマーを対象に、様々な泳法や温度でデータを測定。

こうしたリサーチから得られたデータを分析することで、従来よりも精度の高いアクティビティデータを収集することが可能となったのである。日本では時計を身に付けて泳ぐことを許しているプールはまだまだ少ないが、真剣にスイミングに取り組んでいるスイマーには嬉しいニュースであることは間違いない。

あらゆるスポーツのトレーニングをよりスマートに!


MLBプレーヤーも取り入れているテクノロジーを一般ユーザーも気軽にトライすることができる。

 筆者はPocket YogaというApple Watch対応アプリを使用して、公園の芝生やスポーツジムのストレッチエリアなどでヨガを楽しんでいるが、このアプリ以外にもサードパーティがリリースする、スポーツやフィットネス向けのアプリが今後充実する予定となっている。

 そのなかにはテニス、ゴルフ、野球といった、これまでAppleというブランドからは連想しにくかったスポーツカテゴリーも含まれており、Blastという野球向けアプリではMLBのオフィシャルバットセンサーテクノロジーを活用し、通常のバットにセンサーを取り付け、iPhone、iPad、Apple Watchにアプリをダウンロードすることで、正しいスイングを効率よくマスターすることができる。

 野球のスイングは腕だけでなく腰もしっかりと回すように振ることが肝要で、そのほうがスイングスピードが増して飛距離もアップするが、このシステムのビデオキャプチャーを活用することで、その違いをジュニアを始めとしたプレーヤーにもしっかりと理解させることができるだろう。

テニスラケットのトップブランドであるヘッド社とタッグを組み、プレー中のボールスピード、スピン(回転数)etcを収集分析することが可能。

 テニス向けアプリのZeppは、テニスラケットのトップブランドであるヘッド社とタッグを組み、プレー中のボールスピード、スピン(回転数)、スイートスポットに正確にヒットしているか、心拍数etc.といったデータを収集分析することが可能。こちらのアプリは今秋登場予定のwatchOS 4に対応予定で、このアプリにリンクするラケットは11月にリリースされる予定となっている。


練習場やコースでのワークアウト情報を記録することができるのに加え、心拍数や歩数、消費カロリーを計測することも可能だ。

 ゴルフ向けアプリのパートナーはトッププロの愛用者も多いゴルフメーカーのPING。Apple Watch用のアプリであり、ゴルフ練習場やコースでのワークアウト情報を記録することができるのに加えて、心拍数や歩数、消費カロリーを計測することも可能となっている。

Gym kitの登場でカーディマシンとの連携がスムーズになる!

Lifefitness(ライフフィットネス)、Techno Gym(テクノジム)、そして自転車でも有名なSchwinn(シュウィン)、MATRIX(マトリックス)、Stair Master(ステアマスター)、Cybex(サイベックス)、STAR TRAC(スタートラック)の7ブランドがGymKitに対応予定となっている。

 ランニングマシンとも呼ばれるトレッドミル、エアロバイクやステップマシンといったカーディオマシン(有酸素系マシン)によるアクティビティはスポーツジムでも特に人気となっている。これまでもApple Watchにプリインストールされたワークアウトアプリでは「室内ランニング」という項目があり、走行データを記録することができたが、筆者の経験でも「あれ、トレッドミル上の走行距離とズレがあるな…」と思ったことが何度かあった。

 そんなユーザーの不満を解消してくれそうなのがwatchOS 4で追加されるGymKit(ジムキット)だ。これによりフィットネスマシンとのスムーズかつ正確な連携が可能となる。Apple Watchをマシンに近づけると、NFCを利用して、Bluetooth経由での接続が完了。Apple Watchからは心拍数、身長、体重などのデータが提供され、フィットネスマシンの画面に表示。カーディオマシンからは、トレーニングの強度などを送信。トレッドミルの場合、走行ペースや斜度といったデータが共有される。

Apple Watchをマシンに近づけると、NFCを利用して、Bluetooth経由での接続が完了する。

 消費カロリーの計算はApple Watch側で行い、マシン側に共有され、表示。Apple Watchの画面を確認しなくても、トレッドミルなどのカーディオマシンのほうの画面で全ての情報を確認することができるのである。測定データはApple WatchからiPhoneに移行され"ヘルスケア"アプリ上で確認することが可能だ。

 このGymKitに対応を予定しているマシンメーカーは現時点でLifefitness(ライフフィットネス)、Techno Gym(テクノジム)、そして自転車でも有名なSchwinn(シュウィン)やMATRIX(マトリックス)、Stair Master(ステアマスター)、Cybex(サイベックス)、STAR TRAC(スタートラック)の7ブランド。いずれもスポーツジム向けマシンのトップブランドであり、筆者が通うジムに8月中旬に導入されたLifefitness社のトレッドミルやステップマシン、エアロバイクの最新作は、GymKitに対応する可能性が高いと思うので、今から体験するのが楽しみである。

人気急上昇中の最新フィットネスプログラムともリンクした!

PRAMAはインストラクターのリードのもとで、ライトや音楽に反応することによりスピードや敏捷性、強靭さを鍛えることができる革新的なトレーニングプログラムだ。

 PRAMAはMARCOS REQUENA氏が開発したトレッドミルやローイングマシン、エクササイズバイクなどを使用しない革新的なトレーニングプログラム。インストラクターのリードのもとで、ライトや音楽に反応することによりスピードや敏捷性、強靭さを鍛えることができる。インタラクティブなスクリーン、感圧フロア&ウォールを組み合わせ、従来のフィットネスプログラム以上の楽しさを提供しつつ、フィットネスレベルを効率的に向上させることが可能。

 参加者は心拍ベルトをApple Watchに接続することでデータを連携させることができる一方で、インストラクター向けのApple Watch用アプリも用意されており、インストラクターは簡単に部屋の明るさや音楽を管理することが可能で、クラスの運営をよりスムーズに行うことができるようになるという。ちなみにこのPRAMAのプログラム自体は、日本では渋谷のティップ.クロス TOKYOに導入済みである。

健康とフィットネスはAppleにとっての優先事項!

 いくつかのAppleの健康に対する取り組みを紹介することで、いかに同社がこの分野を重要視しているかを理解してもらえたと思うが、Appleのフィットネス・ヘルステクノロジー担当ディレクターであるジェイ・ブラニックも下記のように語っている。

 「健康とフィットネスはアップルにとってプライオリティ(優先事項)だと考えています。GPSを内蔵し、耐水性能を備えたApple Watch Series 2を発表したことはもちろん、今や7000以上のアプリケーションが連動するヘルスケアアプリケーションを開発したことはその一例です。」

 「アプリケーションの開発者の方々がアップルのエコシステムで、横断的に使える素晴らしい健康やフィットネスのアプリケーションを生み出していることに本当にワクワクしています。そしてそのエコシステムは毎日をより良い一日に、そしてより健康な生活を実現する手助けをするこれまでにないほどパワフルなものになってきています。」

 「秋に提供されるwatchOS 4では、アクティビティアプリケーションが賢いコーチングを提供し、あなたの行動を学んで、あなた自身に合わせて励ましてくれます。その人に合わせてモチベーションを上げてくれたり、ぴったりのタイミングでぴったりのアドバイスをしてくれることで、アクティビティリングを完成できる日が増え、成果がさらに長続きするようになります。」

 今後もAppleの健康とフィットネスに対する取り組みに注目したいと思う。

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